2009年4月1日水曜日

三河の会の症例 3月2日

1)浅井先生

29才、男性(ネパール人8年前来日)
主訴、腹部膨満感




2)小林先生

症例1
検診にて胸部単純Xpで異常影を指摘された。


症例2
心窩部痛、CRP高値(15前後)にて他院より紹介受診した。



3)渡辺

1才 男児
寝返りができなくなってきた。全身の低緊張が著明である。定頚はあるが、座位保持が二つ折れで不可。


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1)浅井先生

29才、男性(ネパール人8年前来日)
主訴、腹部膨満感

切除所見
肝左葉は圧排され菲薄化。病変は小児頭大の単房性嚢胞性病変で、肝左葉と連続。ほかの腹膜との癒着はなし。
内容は黄色調漿液と漿液を入れた薄い膜からなる数cmまでの水風船様物を多数包含。壁は硝子化瘢痕組織。
肝付着部では壁内に胆管上皮が認められ、肝originの嚢胞性病変と診断。(病理の先生も初めて見る形態とか)

病変の生成機転については不明。腹膜偽粘液腫、リンパ管腫ではなかった。
CTで、点状に石灰化がみられる部分が肝との連続部分。

2)小林先生

症例1
検診にて胸部単純Xpで異常影を指摘された。

右側大動脈弓 + 異所性左鎖骨下動脈
頻度は1/1000人である。

症例2
心窩部痛、CRP高値(15前後)にて他院より紹介受診した。

肝表に少量の腹水あり。造影CT早期相にて肝表面の濃染があり、Fitz-Hugh-Curtis Syndromeを疑った。
しかし、淋菌、クラミジア抗原 陰性 CトラコマIgG、IgA抗体 陰性で確定されず。


3)渡辺

1才 男児
寝返りができなくなってきた。全身の低緊張が著明である。定頚はあるが、座位保持が二つ折れで不可。

Tay-Sachs病

ガングリオシドーシス
 GM1(βガラクトシダーゼ欠損)
 GM2(βヘキソースアミニダーゼ欠損(α/βsubunit))
   乳児型(Tay-Sachs/αsubunit欠損)、若年型、成人型

3~5ヶ月頃に筋緊張低下、聴覚過敏となり、次第に定頚、座位が不可になる。眼底にはCherry-red spotが特徴的。
1才頃には周囲に対する反応が消失、痙攣が始まる。頭囲増大、嚥下不可となり4才頃までに死亡する。

脂質の蓄積のため、脳実質の肥厚を生じる。脳室は狭小化、硬膜下腔も狭小化する。T2Wでの基底核部の信号上昇が特徴的である。