2007年11月26日月曜日

三河の会の症例 11月12日

1)小山先生
40才代 女性
主訴は腹部腫瘤.23才時の結婚歴あるも,原発性無月経.


2)久米先生
17才男性 2ヶ月前に下顎の痺れが出現し,近医歯科受診.Xpにて右下顎に透亮像があり,当院口腔外科紹介受診となった.下顎膨隆は徐々に増大している.



3)荒川先生
85歳女性 腹痛にて来院。



4)荒川先生
78歳男性 11/1~肺結核にて入院中。ふらつき症状あり、11/12 頭部CT施行。


5)小林先生
63才男性  左肩痛が持続する.他院からの依頼で,外傷歴や持続期間等は不明です.



6)渡辺
72M 右)しびれ、脱力で発症した。



7)渡辺
72M 左IC stenosisでフォロー中である。



8)渡辺
32F 午前6時頃 居間で物音がし、家人が倒れているPtを発見し、救急車を要請した。救急隊到着時には意識障害、後頭部痛があった。来院時には不穏状態で、レベルは2桁。呼びかけで開眼するが従命は不可であった。麻痺はない。うなり声を上げている。昨日から肩こり、嘔気、嘔吐(10回程度)があった。倦怠感があった。既往歴には8年前に脳腫瘍で手術している。下垂体卒中? 対光反射あり。項部硬直あり。



9)渡辺
10M 1-2年間、明け方に頭痛。嘔吐もある。寝ていても痛くて目が覚める。1時間くらい続く。



10)渡辺
10M ダウン症、今年に入り、2回ほど意識消失発作をきたし、倒れた。


11)渡辺
49F 風呂に入ると突然痙攣。家人が倒れているのを発見した。救急車内でも痙攣が持続。来院時にも痙攣があった。セルシン3Aでおさまる。
以前にも同様の発作があり、デパケンを服用中。レベルは3桁で右)共同偏視がある。もともと出生時の後遺症で痙攣があったが、大発作は15年以前に1回のみであった。MRI後に意識が戻る。覚醒後には右片麻痺、右空間失認が出現した。トッド麻痺が疑われた。数-10時間で改善した。脳波では左)側頭葉に鋭波があり、側頭葉てんかんの所見である。右)後頭葉には徐波があり、腫瘍などが疑われた。

1 件のコメント:

watanabe さんのコメント...

1)小山先生
40才代女性
主訴は腹部腫瘤.23才時の結婚歴あるも,原発性無月経.
診断は,Mayer-Rokitansky-Kuster-Hauser症候群に合併した平滑筋腫です.


2)久米先生
17才男性
2ヶ月前に下顎の痺れが出現し,近医歯科受診.Xpにて右下顎に透亮像があり,当院口腔外科紹介受診となった.下顎膨隆は徐々に増大している.
T2WI低信号で、巨細胞性修復性肉芽腫か?と思われたが、特に外傷の既往はなし。生検ではfibrous dysplasia あるいは osteofibrous dysplasiaとのことです。今後ope予定なので、確定診断つけば追加ご報告させて頂きます。


3)荒川先生
85歳女性 腹痛にて来院。
腸管気腫性嚢胞症
気腫の所見はS状結腸と小腸の一部に認められた。腹痛は自然に軽快するもCT所見は不変。腹痛の原因ではなく、偶然見つかったものと思われる。Free airが見られるが穿孔とは限らないことに注意。


4)荒川先生
78歳男性 11/1~肺結核にて入院中。ふらつき症状あり、11/12 頭部CT施行。
多発する硬膜下血腫>>肥厚性硬膜炎?
硬膜全体に厚さの均一でない高吸収像が分布している。右小脳を圧排する病変は三日月状の形態で液面形成あり。この部分については少なくとも血腫と考えられるが、その他については三日月状を示さないものもあり、硬膜の肥厚とも考えうる。
以上、カンファでの検討内容ですが、後に以下の臨床情報判明。冠動脈バイパス後で11/1 当院へ結核で入院する前までワーファリン内服中で、入院時の視診で腹部に皮下血腫あり。入院後も貧血進行。出血傾向にあったとのこと。またthin sliceで再度確認すると血腫の形状を示す病変が多数あるように見えます。前者で良さそうです。


5)小林先生
63才男性  左肩痛が持続する.他院からの依頼で,外傷歴や持続期間等は不明です.
以前荒川先生が提示された血管腫に似ているような気がして,ご意見を伺いました.結局,筋損傷という結論でした.


6)渡辺
72M 右)しびれ、脱力で発症した。
infarction/ Epidermoid
DWIでは特徴的な高信号病変である。急性期の脳梗塞は別にあり、この所見とは無関係である。


7)渡辺
72M 左IC stenosisでフォロー中である。
Duplication of MCA
重複中大脳動脈の定義
中大脳動脈の前頭葉への第1分枝であるorbitofrontal arteryや側頭葉への第1分枝であるanterior temporal arteryが、中大脳動脈から分岐せずに内頚動脈から直接分岐するvariationの場合には、それぞれ、
副中大脳動脈(Accessory middle cerebral artery)や
重複中大脳動脈(Duplicated middle cerebral artery)と呼ばれる.
これらは、recurrent artery of Heubnerが拡張したとの説明や前大脳動脈と中大脳動脈を結ぶanastomosisが残ったものとも説明されている.accessory MCAは0.2-2.9% の頻度で認められ、1部のproximal originの場合とdistal origin (前交通動脈近傍)の場合があり、duplicated MCAは0.3-4.0%の頻度で認められる.


8)渡辺
32F 午前6時頃 居間で物音がし、家人が倒れているPtを発見し、救急車を要請した。救急隊到着時には意識障害、後頭部痛があった。来院時には不穏状態で、レベルは2桁。呼びかけで開眼するが従命は不可であった。麻痺はない。うなり声を上げている。昨日から肩こり、嘔気、嘔吐(10回程度)があった。倦怠感があった。既往歴には8年前に脳腫瘍で手術している。下垂体卒中? 対光反射あり。項部硬直あり。
細菌性髄膜炎 肺炎球菌か。
ルンバール初圧40cm、白色混濁 CC:21400(0-15) P:900(10-40) Glu:<1(50-75) Cl:115(120-130) WBC 23800 CRP:0.9
CTではSAHを思わせる所見を認める。MRI/FLAIRでも脳溝に沿って高信号領域が認められる。DWIでは高信号ははっきりしない。


9)渡辺
10M 1-2年間、明け方に頭痛。嘔吐もある。寝ていても痛くて目が覚める。1時間くらい続く。
Moyamoya disease
MCAの不明瞭化、FLAIRでは遅延した血流が認められる。基底核部にはモヤモヤ血管が認められる。


10)渡辺
10M ダウン症、今年に入り、2回ほど意識消失発作をきたし、倒れた。
Moyamoya病
モヤモヤ血管ははっきりしないが、MRAで明らかとなる。
もやもや病の診断基準において,ダウン症などの特別な基礎疾患に伴う類似の脳血管病変は除外されており,それらはもやもや症候群と称される.
ダウン症に伴うもやもや症候群については,これまで多くの報告がみられるが,その病態,発生機序については,現在も明らかにはされていない.


11))渡辺
49F 風呂に入ると突然痙攣。家人が倒れているのを発見した。救急車内でも痙攣が持続。来院時にも痙攣があった。セルシン3Aでおさまる。
以前にも同様の発作があり、デパケンを服用中。レベルは3桁で右)共同偏視がある。もともと出生時の後遺症で痙攣があったが、大発作は15年以前に1回のみであった。MRI後に意識が戻る。覚醒後には右片麻痺、右空間失認が出現した。トッド麻痺が疑われた。数-10時間で改善した。脳波では左)側頭葉に鋭波があり、側頭葉てんかんの所見である。右)後頭葉には徐波があり、腫瘍などが疑われた。
脳腫瘍・血管障害(疑い)
手術では血管は膨隆していたが、解離や動脈瘤とはおもわれず、ラッピングをした。嚢胞液の吸引を行なった。
手術ではgliosisが見られたが、ML、PXA、DNT、gangliogliomaなどの所見はなかった。astrocytoma grade 1の可能性はなくはない。嚢胞をもつ腫瘍、MCA分枝の解離、瘤の形成、出血、膿瘍形成などが疑われた。