2007年12月12日水曜日

三河の会の症例 12月3日

1)北瀬先生
50代男性。腹痛にて受診した。既往歴なし。 単純CTにて胆嚢内及び総胆管内に高吸収値領域がみられ、結石疑いで入院された。




2)橋爪先生
10/17 右胸水指摘されて入院。 発熱(-)、喀痰検査=normal flora 胸水穿刺では血性胸水。胸水細胞診では多量のリンパ球を認め、悪性細胞なし。
ヒアルロン酸 8100  0 - 50 ng/ml  
ADA[その他] 29.1  6.8 - 18.2 IU/l
抗酸菌塗抹陰性、QFT陰性。

診断的治療として抗結核薬3剤を2週間使用したが、増悪傾向。




3)小林先生

66才女性.
頻尿,残尿感にて受診.右下腹部に軽度の圧痛あり.USにて卵巣腫瘍を疑われ,MRI施行した.
既往歴;帝王切開2回(30~40年前),高血圧,高脂血症.


2007年11月26日月曜日

三河の会の症例 11月12日

1)小山先生
40才代 女性
主訴は腹部腫瘤.23才時の結婚歴あるも,原発性無月経.


2)久米先生
17才男性 2ヶ月前に下顎の痺れが出現し,近医歯科受診.Xpにて右下顎に透亮像があり,当院口腔外科紹介受診となった.下顎膨隆は徐々に増大している.



3)荒川先生
85歳女性 腹痛にて来院。



4)荒川先生
78歳男性 11/1~肺結核にて入院中。ふらつき症状あり、11/12 頭部CT施行。


5)小林先生
63才男性  左肩痛が持続する.他院からの依頼で,外傷歴や持続期間等は不明です.



6)渡辺
72M 右)しびれ、脱力で発症した。



7)渡辺
72M 左IC stenosisでフォロー中である。



8)渡辺
32F 午前6時頃 居間で物音がし、家人が倒れているPtを発見し、救急車を要請した。救急隊到着時には意識障害、後頭部痛があった。来院時には不穏状態で、レベルは2桁。呼びかけで開眼するが従命は不可であった。麻痺はない。うなり声を上げている。昨日から肩こり、嘔気、嘔吐(10回程度)があった。倦怠感があった。既往歴には8年前に脳腫瘍で手術している。下垂体卒中? 対光反射あり。項部硬直あり。



9)渡辺
10M 1-2年間、明け方に頭痛。嘔吐もある。寝ていても痛くて目が覚める。1時間くらい続く。



10)渡辺
10M ダウン症、今年に入り、2回ほど意識消失発作をきたし、倒れた。


11)渡辺
49F 風呂に入ると突然痙攣。家人が倒れているのを発見した。救急車内でも痙攣が持続。来院時にも痙攣があった。セルシン3Aでおさまる。
以前にも同様の発作があり、デパケンを服用中。レベルは3桁で右)共同偏視がある。もともと出生時の後遺症で痙攣があったが、大発作は15年以前に1回のみであった。MRI後に意識が戻る。覚醒後には右片麻痺、右空間失認が出現した。トッド麻痺が疑われた。数-10時間で改善した。脳波では左)側頭葉に鋭波があり、側頭葉てんかんの所見である。右)後頭葉には徐波があり、腫瘍などが疑われた。

2007年7月29日日曜日

三河の会の症例 7月2日



北瀬先生
症例 32歳男性
既往歴:特になし。
現病歴:左鼠径部痛にて受診。「左外鼠径ヘルニア(大網)」の術前診断で、手術を施行した。
手術では大網を腹腔内に戻す際に、萎縮した左精巣が一塊となってでてきた。
診断:左停留精巣に合併した外鼠径ヘルニア(大網)




小山先生
47歳 女性 腹痛
帝王切開の既往ありのイレウス。回腸に単純CTで吸収値の高い腫瘤あり。造影後は中心部に造影不良域を認めます。
診断:回腸の内膜症性嚢胞(嚢胞状内膜症)による閉塞性イレウス




小山先生
55歳 女性 左下腹部痛
T2強調像高信号の左卵巣の充実性腫瘤で、造影CTで中心部に結節状の造影域が認められます。
診断:左卵巣海綿状血管腫

2007年6月13日水曜日

三河の会の症例 6月4日



大場先生

65才男性、右腎盂の拡張。造影では腎盂に腫瘤状の病変がある。盂自体の拡張はない。尿管拡張もない。肝門部にも腫瘤がある。門脈は内部を通過している。ERCPでは胆管の狭窄はない。血管造影では濃染される。生検によりfibrosisの所見が得られた。fibrosisは後腹膜だけではなく腎盂にもよく見られる。腎に初発することもある。





北瀬先生

59才男性 phlebosclerotic colitis
肝硬変症で
follow中。脳腫瘍が見つかる。上行結腸壁の肥厚と静脈壁に石灰化が認められる。PETでは軽度の集積がある。内視鏡では上行結腸壁に軽度の粘膜肥厚が認められた。

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59歳、男性
脳腫瘍の全身検索にてPET-CTを施行した。
CTでは上行結腸の壁肥厚と周囲静脈の石灰化がみられた。
PETでは上行結腸は全体に軽度の集積がみられた。
内視鏡検査では上行結腸の発赤と長軸方向の陥凹性病変→生検にて腺構造の乱れと非特異的炎症所見であった。

診断:phlebosclerotic colitis
(脳腫瘍に関しては不明)

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小林先生

73才男性 右季肋部痛、下腹部痛、右下腹部に圧痛がある。WBC 13500 CRP 11と炎症所見がある。上行結腸~盲腸に腫瘤状病変、肝にSOL、腹横筋膜にも腫瘤状構造が見られる。膿瘍か腫瘍および転移か。USではほぼ等エコー。手術で盲腸腫瘍、腹横筋には膿瘍形成が認められた。肝のSOLは転移巣であった。

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73才男性
数日前より右下腹部痛あり。右下腹部に圧痛強く、反跳痛も軽度あり。
WBC18000、CRP20.
→CTにて盲腸および肝に腫瘤あり。どうちらも膿瘍?あるいは盲腸腫瘍の肝metaか
→手術にて盲腸Ca.の肝metaであった。右腹横筋内には膿瘍形成もあった。

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小林先生

78才女性 3年前に胃癌で手術(stage 1b)。転倒、歩行困難となる。痛みは強くない。CRP 4.0 WBC 13000。胸椎椎体の圧迫骨折、癒合傾向が見られた。胸水が認められる。椎弓までT1強調像で信号変化が認められる。膨隆も認められる。後方徐圧術が行われた。細菌性椎体炎であった。

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78才女性
H16年に胃Ca.(stageⅠB)にて胃全摘術。
転倒後両下肢しびれ、歩行困難あり。WBC13900、CRP4,86。
MRIにて胸椎に圧迫骨折、脊柱管狭窄あり。同部にmeta?炎症?
→後方除圧施行。炎症であった。

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村上先生

82才男性 高血圧 CTでは硬膜下血腫が見られる。トルコ鞍から左海綿静脈洞にT2強調像およびFLAIRで高信号を呈する病変が認められる。海綿状血管腫などが疑われる。

村上先生

59才 下腹部痛 CTで小腸に広範な浮腫(target sign)、盲腸に濃染が見られる。アニサキスであった。follow upで盲腸に濃染が残存する。盲腸癌であった。




浅井先生

75才男性 糖尿病、便秘症。左肩の腫瘤を指摘された。多部位に腫瘤が認められた。CTでは皮下、筋内などに多発腫瘤が認められる。造影では内部は造影不良を呈した。生検でadenocarcinoma。肺癌のマーカーは陰性であった。喀血で永眠された。原発は不明だが肺癌が疑われる。

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症例:75才男
糖尿病、気管支喘息、高血圧で開業医に長年通院。
平成19年3月、右肩に腫瘤があるのを、この開業医が気づく。
本人の話では、平成18年10月ころよりあったと。
当院整形外科へ紹介受診。
画像:
単純X-P 3/16
CT;3/16(単) 5/18(造)
検査:
CEA >1500、 SLX 9(微増)、PSA 正常
上部、下部消化管;異常なし

6/3大量喀血にて気道閉塞、他界。
皮下腫瘤の生検では、壊死の強い腺癌の転移と疑われた。

左肺門部気管支原発の肺癌がCTでは疑われた。
全身状態の衰弱した末期という訳でもないが、皮下や軟部組織を主体に多発壊死転移
巣を形成した非典型的経過をとった症例ということで提示した。

大場先生のコメント;
adenoidcystic carcinomaは腫瘍そのものの性質(分泌物によるものか)により、内部が造影されないことが多く、他の転移巣、転移リンパ節にも同様の所見が認められる。壊死ではない

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2007年5月30日水曜日

三河の会の症例 5月14日




佐竹先生

40代女性、腹痛
phlebosclerotic colitis

参考文献:
Phlebosclerotic colitis: Value of radiography in diagnosis - Report of three cases
Radiology 2000; 214:188-192

Phlebosclerotic Colitis: Imaging–Pathologic Correlation
AJR 2005; 185:441–447

参考サイト:http://www.qqct.jp/seminar_answer.php?id=1128

2007年3月18日日曜日

三河の会の症例 3月5日



河野先生

34歳 女性
6年前、3年前に帝王切開の既往.
1年前から左下腹部の痛みに気づく。
2~3ヶ月前から生理中や排卵中に痛みが気になるようになった。
最近になり、左下腹部腫瘤が大きくなってきた。
当院を受診し,ホルモン療法施行.軽度縮小し,外科にて摘出術施行.

診断:異所性子宮内膜症

2007年2月13日火曜日

三河の会の症例 2月5日

小林先生
90才代女性 前日から続く上腹部痛、嘔吐。来院時は右上腹部に圧痛あり。嘔吐は軽快。ブルンベルグ±。採血ではWBC,CRP軽度上昇。当日緊急手術となり、「遊離胆嚢の捻転」の診断。

佐竹先生1
下垂体卒中?ラトケ?   31歳女性 1年前から無月経、高プロラクチン血症で治療中


佐竹先生2
異所性灰白質 27歳女性 頭痛

佐竹先生3
ラトケ嚢胞(疑) 84歳女性 以前に脳梗塞の既往、最近ふらつきが出現


下平先生、
25才男性。急激な腹痛。SMAのまわりをSMVおよび腸管がとぐろを巻くように回転している。一部SMAが非常に細くなっている部分も認める。(イレウス所見は認めず、腹痛はこの虚血によるものか?)十二指腸水平脚はSMAの腹側に位置し、上行結腸の背側に小腸の集簇が入り込んでいる。中腸回転異常+軸捻転 と診断され入院となった。数日後症状改善し、本人の希望もあり退院となったが、症状消失した時のCTでも、捻転は若干改善したものの残存しており、再発の可能性は十分あると思われた。

大場先生
68歳男性、体重減少左)腎盂~尿管の拡張があり、尿管は隔壁状の造影効果を示す。1日後のCTでは尿管およびその周囲に造影剤が残存している。尿管周囲への尿溢流が認められる。胃がん(スキルス)があり、癌性腹膜炎、後腹膜への炎症波及によるものが考えられる。

小山先生
神経芽細胞腫 1才9ヶ月,男児.10日前に右眼,その翌日に左眼の腫脹と青あざが出現し,小児科を受診.経過観察していたが腫脹の増悪と元気低下を認めたため救急外来を受診.体重10kg.理学的に右眼下,左眼瞼に皮下出血,左側頭部に腫脹を認める.