2011年4月18日月曜日

三河の会の症例 4月11日

1)上岡先生

症例1

73歳女性

主訴:腹痛、嘔吐



症例2

78歳女性

主訴:黄疸




2)新美先生

症例:46歳女性

検診便潜血陽性




3)森先生

症例:41歳 女性

主訴:自覚症状なし.

既往歴:DM. 大腸SMT(脂肪腫).

現病歴:DMで当院内科に通院.偶然撮った腹部CTで腫瘤を指摘された.




4)石川先生

70才男性

主訴:胸背部痛

身体所見 ショックバイタル。




5)長谷先生

38才女性

3/18受診 先週より腹部違和感、頻尿あり近医で膀胱炎と診断された。その後再診で12cmの子宮筋腫があるといわれ、MRI施行し、後日結果を聞く予定であった。

受診日6時、目覚ましを止めようとしてから腹痛が強くなり、7時過ぎER受診。

最終月経2月下旬 周期は不整

既往:特になし 内服:頭痛薬頓用

KT 36.9 BP 132/75 HR 78 SpO2 100ra

意識清明 眼瞼結膜貧血+ 腹部平坦だが硬く、全体に強い圧痛 筋性防御+




6)高見先生

91歳男性

検診超音波で胆石、肝嚢胞を指摘される.精査の造影CTで脾臓に腫瘤を認めた.自覚症状なし.


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watanabe さんのコメント...

三河の会の症例 4月11日

1)上岡先生
症例1
73歳女性
主訴:腹痛、嘔吐

診断:腹壁瘢痕ヘルニア+横行結腸癌によるイレウス
CT:上腹部、下腹部に2カ所のヘルニア門を有する腹壁瘢痕ヘルニアを認め、腸管(小腸、結腸)の拡張、ニボー形成が認められた。腸管拡張の先進部は横行結腸で同部での壁肥厚による狭窄が疑われた。

症例2
78歳女性
主訴:黄疸

診断:下部胆管癌、神経叢浸潤。
CT:下部胆管に9mm大ほどの増強結節を認める。総胆管の壁はやや不整。肝内胆管拡張、主膵管拡張が軽度あり。GDAが狭小化しており、血管周囲に軟部吸収値領域が認められる。


2)新美先生
症例:46歳女性
検診便潜血陽性

診断:検診便潜血陽性で発見された外性子宮内膜症の一例


3)森先生
症例:41歳 女性
主訴:自覚症状なし.
既往歴:DM. 大腸SMT(脂肪腫).
現病歴:DMで当院内科に通院.偶然撮った腹部CTで腫瘤を指摘された.

診断:
病理組織学的所見
診断:Brunner's gland hamartoma
ポリープ状で,ほぼ全体に十二指腸粘膜に被覆され,一部に噴門類似の粘膜を見る.ポリープ内には,Brunnner's gland類似の粘液腺が大小葉状に増殖し,一部は結合織の増生と炎症細胞浸潤を伴って萎縮を示す.小葉内には導管様の拡張した腔が見られ,一部は嚢胞状を呈する.

Brunner's gland hamartoma
ただし2008.1までの症例(本例も含まず)
本邦では 23例報告
年齢: 25~ 83歳 平均 59歳
男 :女 10:13
無症状 9例  下血 7例  貧血 2例
球部16例  下行脚 5例  水平脚 2例
外科的切除 or 内視鏡的切除
予後良好

Brunner's gland hamartomaの画像所見
透視造影
・ 平滑 ポリープ状 壁に固定 or 可動性
超音波
・ 不均一
・EUS:粘膜下層から連続する高エコー&散在する無エコー
CT(n=7)
・ 造影効果均一:不均一 2:5
・ 脂肪 嚢胞
MRI (n=3 症例報告)
・T1WI 低信号 T2WI 不均一高信号


4)石川先生
70才男性
主訴:胸背部痛
身体所見 ショックバイタル。

診断:心筋梗塞
心カテ所見:②75% ⑥100% ⑬99% 


5)長谷先生
38才女性
3/18受診 先週より腹部違和感、頻尿あり近医で膀胱炎と診断された。その後再診で12cmの子宮筋腫があるといわれ、MRI施行し、後日結果を聞く予定であった。
受診日6時、目覚ましを止めようとしてから腹痛が強くなり、7時過ぎER受診。
最終月経2月下旬 周期は不整
既往:特になし 内服:頭痛薬頓用
KT 36.9 BP 132/75 HR 78 SpO2 100ra
意識清明 眼瞼結膜貧血+ 腹部平坦だが硬く、全体に強い圧痛 筋性防御+

診断: チョコレート嚢胞の破裂による化学性腹膜炎


6)高見先生
91歳男性
検診超音波で胆石、肝嚢胞を指摘される.精査の造影CTで脾臓に腫瘤を認めた.自覚症状なし.

診断:脾の炎症性偽腫瘍
炎症性偽腫瘍は、通常、無症状で、単純CTでは限局性の低吸収値腫瘤として認められ、多くは10cm以上である.造影CTでは遷延性の造影効果、central satellite area(central scar)がみられた場合には、炎症性偽腫瘍を鑑別に挙げ、不要な手術を避ける必要がある.鑑別には血管腫、過誤腫、MLなどが挙げられる.MRIでは非特異的な信号パターンであり、鑑別にはあまり有用ではない.